「はぁ~・・・。」


 夏の日差しも真上に上り、暑さが最高潮に達する午後2時。


 私は、額から流れ出る汗もそのままに、吹き抜けとなった孤児院の渡り廊下をため息交じりで歩く。


 手元には、一枚の紙切れ。


 そこに書いてある文字は


『ライルスト=キラ 射撃訓練結果353/800.判定D』


「はぁ~」


 紙切れを眺めて、もう一度ため息が漏れる。


 射撃テスト・・・。800発撃って、当たった弾数353発。


 ・・・・・・ありえない。


 これでは、D判定も教官が怒鳴り散らすのも、ある意味仕方ない・・・。


 最近の孤児院では、士官学校を兼ねて軍事訓練をしていることは既に常識。


 ただでさえ、虎神は物資と人材でアトランテに負けている。


 そのため、このようにしてわずかでも優秀な人材を育てようと国も必死なのだろう・・・。


 それなのに~。