ギア・ドール


「・・・・・死なないでね。」


 私がケィ君に言ってあげられるせめてもの手向けの言葉。


「ああ・・・お前たちもな・・・。」


 ケィ君が、右手を差し出す。

 鈴蘭がそれを見て、ケィ君に近寄り、同じように右手の拳で返した。


 私もそれに続く。


 それぞれの別れ。


 だが、永遠の別れではない。


 ・・・・・・・・・・生きて、また会おう・・・・。


 拳にそんな思いを私たち3人はお互いの拳を叩き合った。


「ねぇ、ケィ君。最後に1つ聞かせてもらってもいい?」


「なんや?」


「ケィ君って、本当はなんて名前なの?」


 ずっと、隠し続けていたケィ君の本名。


 イニシャルが『K』ということだけ・・・・・。


「あぁ、それなら・・・・・・・・・・・・・。」