ギア・ドール


「・・・・二人とも、大変なことが起こった。」


 あくまで、目線はカレーに向いたまま、ケィ君は喋り始める。


 物が口の中に入って、聞き取りにくいが、それもわざとなのだろう・・・。


「どうした?」


「計画の実行日・・・・どうやら、明日らしい?」


 カレーを口いっぱいに広げたまま、トーンの低い声で話した。


「えぇ!」


 それに対して、大声を上げる私。


 一瞬、食堂にいる全員の視線が私に集まったのが分かった。


 あ・・・・・しまった・・・・。


 何とか・・・ごまかさないと・・・・・・・。


「ケィ君って、実は私と同じ血液型だったの!」


 とりあえず、わざと大声でそんなボケをかましておいた。


「そんな、驚くことやないやろう?血液型なんて1/4で一緒になるんやから・・・。」


 咄嗟に判断して話をあわせてくれるケィ君。


「う~ん・・・でも、血液型が一緒なら、私も天才肌ってことかな?」


「馬鹿・・・それを言ったら全国の1/4が天才になるぞ。」


 鈴蘭が、そんな言葉でまとめといた。


 ・・・・・閑話休題。