ギア・ドール


 日付も変わろうかという夜中の0時。


 海人が家に帰ってきたのはそんな時間だった。


 目立った傷は負ってない。


 あの化け物相手に、完全勝利を収めたのだ。


 うれしくないわけがない。


 アルクは、「皐月の修理が大変だよ」等と文句を言いながらも、棚からは一段と高そうなお酒をグラスに注いで、海人に手渡した。


 私も負けじと最大の笑顔で出迎えて、シチューを温めなおす。


 しかし海人は、そんな私たちの出迎えに対してたいした喜んだ様子もなく。


「アルク、キラ・・・お前たちに頼みたいことがある。」


 と、深刻な顔をして、一言だけ私たちに言った。