ギア・ドール


「分かってる・・・。あとは、任せろ・・・。」


 決意の言葉。


 自分だって菫に何の思い入れがないわけではない。


 仕事仲間だったのだ。


 相棒でもあったのだ。


 やられぱなっしでたまるか・・・。


 椅子を引き立ち上がる海人。


 リビングの柱にかけられている壁からジャンパーと鍵を取る。


「・・・・・・・・死ぬなよ。」


 アルクからの精一杯の手向けの言葉。


「ああ。」


 短い返事で返す。


「海人・・・。」


 いつの間にか、キラも台所から出てきて、自分のコトを心配そうな表情で見ていた。


「大丈夫や。すぐ戻ってくる。」


「シチュー、冷めるとマズイからね。」


「ああ。」