声に出して聞いてみる。
「そのとおり。まぁ、これだけの出力を持ったギアにパイロットが乗って自在に操るのは、理論的には不可能だからな・・・。この機体は人工知能を搭載して、パイロットを必要としないギアにするって計画みたいだな。」
「へぇ~。」
もはや、そんな声しか出なかった。
「・・・まだ気がつかないのか?キラ?」
え?
「何に?」
「つまり、俺たちがこの人工知能にされそうになってるんだぞ。」
・・・・・・・・・・。
「え?・・・ウソ?」
信じられなかった。
「うそやない。だいたい、現代の科学でこんな優秀な人工知能が作れるもんか?」
「それじゃあ・・・。」
ケィ君の言葉に私の背中から冷たい汗が流れる。
「この書類では人工知能って書いてあるけどな・・・。たぶん、実際に使われるのは、俺たちの脳みそだ。アンドロイド技術の応用・・・。現在じゃ、脳みそ以外はすべて復元することは可能だといわれているからな・・・。」
聞いただけでも、恐ろしい話だった。
「・・・・・・・・私たちは、ギア・ドールにさせられるの?」
恐る恐る聞いてみる。
もちろん、否定してくれるコトを期待して・・・だ。
「せやろうな・・・。おそらく、鈴蘭は遠距支援型。キラは近距離格闘型。そして、俺がその二人のサポートする、一個小隊と言ったところか・・・。」
しかし、そんな私の薄っぺらい期待はケィ君の紫煙と共に、砕かれる。
ショックで、一回、我を失いそうになる私・・・。


