ギア・ドール

「え?」


「俺たちは、人体実験のためのモルモットに選ばれたんだ・・・。」


「まさか?」


 信じられない・・・。


 虎神がそんなコトをするなんて・・・。


「俺も、最初は信じられなかったんだけどな。これが証拠。ケィが調べてきたんだ・・・見てみろよ。」


 口にしながら、鈴蘭は机の上においてあった紙束を手にとって、私に渡す。


 そこには表題に『弁財天計画』と書かれており、その計画の概要が書かれていた。


 私は、それを丁寧に読み進める。


 弁財天。


 全長12メートル、重量23トン。


 主要武器は、戦艦をも一太刀でなぎ払える巨大な剣と、過去最高出力を持つマシンガン。


「すごい・・・。」


 私は、このデータを見て、思わず感嘆の声を漏らす。


 こんなものが量産された日には、あっという間にアトランテ軍を掌握してしまうだろう。


「まぁ、それだけを見るならな・・・下のほうをよく読んでみな。」


 鈴蘭に言われて、さらにケィ君が持ってきたという紙を読み進める。


 そこに書いてあった文字は・・・『人工知能』という、聞きなれない単語。





「人工・・・知能?」