ギア・ドール


 ジン?


 誰のことだろうか?


「生きていたんか?」


「あいつも、仮にも軍人・・・私の上司だ。簡単に死ぬようなヤツじゃない。」


 上司?


 軍人?


 ・・・・エリアスが?


「・・・・・・・・・・・・ええんか?」


 おそらく、それが本当だとしたら、こんな情報教えた時点で、エリアスは無事ではすまない。


「・・・・・・どの道、このままならば放っておけば、スラムは全滅だ・・・。だったら、少しでも希望がある方に賭けても悪くないだろう?・・・残念ながら、軍の犬でしかない私では、お前にあげられる情報はないんだから・・・。」


 あれだけ、数多くのギアが弁財天に立ち向かって言った中で、海人だけが唯一、弁財天に傷を負わせながらも、無傷で帰還している。


 それだけ聞いても、海人は天才的なセンスを持っていると思う。


 いやでも期待が高まってしまうのは、仕方ないのだろう・・・。