ギア・ドール


「・・・それじゃあ、行くで。」


 自分がまとめた荷物を手に取る海人。


「うん。」


 それに答えるように、キラがベッドに手をかけて立ち上がった瞬間。


「あっ!」


 三日三晩ベッドの上で横になっていた足の筋肉は、自分が考えていたよりも衰えが早かったらしく、立ち上がった瞬間、足元から崩れて身体が思いっきりよろけてしまう。


「おっ・・・オイ!」


 それにすぐさま反応するように、海人が手を差し伸べてくれなければ、自分は倒れてしまっていただろう。


 思わず、抱き合う姿勢になる二人。


「あ・・・ごめん・・・なさい・・・。」


 思わず顔を背けてしまった。


 何やってるんだ、私・・・?


「いや、それより、大丈夫なんか?」


「あ、うん・・・。」


 そこまで口にしたところで・・・。


「お楽しみ中のところ、申し訳ないな。」


 突然、開きっぱなしだった扉から、エリアスが声をかけてきた。