*― リ ト ル―*

電車から降りて徒歩二分。


そこには、誰もがびっくりする大きさの学園があった



すっ!すごい...


白い柱の上に黄色く光るランプの門をくぐると、大きな噴水がある

両脇にはなんの花か分かんないけど、きれいな花がずーっと続いている。


いいにおい...


花の香りに囲まれながら、あたしはお城のような学校にちょっと小走りで向かった。


やばい...少し遅刻かも・・・!!初日から遅刻なんて嫌だよ・・・!!

あたしの腕の時計は、もうすぐ入学式の始まりの時間。

っていうか、門から学校までどんだけ距離あるんだよ!!



「あれ・・・っ?」



周りを見てみたら頭の良さそうなお坊ちゃまお嬢様達がまだたくさんいた。


なんだ・・・まだ大丈夫そうじゃん・・・。あたしの時計壊れてんのかな...?


あたしは汗を拭いて、小さな歩幅で歩き学校に向かった。


―どんっ!



「・・・キャッ!!」



あたしは後ろから走ってきた人に、ぶつかってこけそうになった。



「いってー・・・」



あたしの後ろには、でかくて髪の毛が茶色で少しはねている男の人...


お坊ちゃまって感じではないな・・・。



「す、すいません・・・」


あたしは頭をおさえながら、ニコっと笑ってぺこりとおじぎをした。



「・・・どんくせぇ女...。」


・・・っは?