俺様執事のち、二重人格。










いよいよ
執事決めの時間が来た。










頭が割れそうな
女の甲高い奇声が
あちこちでする。










煩せぇよ…。
高々、男一人ごときに。




大体、
「爽汰サマ」って
なんだよ…。




立場逆転
してんじゃねぇかよ…
お嬢様方と俺。









女に
執事になってくれって
言われても
とにかく笑顔でバッサリ断る。










今、俺は天音月しか
探してね―んだよ。





さて、
天音月、天音月…






「先生、
天音月さんってどこ?」









壁際に立ってる先生。



正直、女に困ったことはない、
どちらかと言えば
経験豊富なほう。



…年上も扱える。







「あっ、あああっち…」



「さんきゅっ。せんせっ。」





ここで笑顔っと。


先生、茹で蛸に似てるよ。







あっ、
あれ、そうか?





色んな男に
囲まれてるけど
壁にずりよってる…。

普通は媚びるだろ…。







真っ白な肌、
リンゴみたいに
ほんのり色づいた頬、
真っ黒な髪。

オマケにチビ。





…かわいい…かも。