ホテル争いは
最近激化していて…
小さい所の煽りは受けないが、
天音財閥と
うちはいい勝負だ。
その影響なのか、
昨日、親父は
「爽汰~、天音財閥の
月ちゃんの執事になりなさい」
とか言って、
誘い方の練習とか
しやがった…。
スパイにさせる気なのか
業務提携目的なのか
なんなのかは知らないけど
まあ、仕方ね―な…。
可愛くなかったら
却下だけど。
…チビならまだ許す。
「んじゃ、行ってくる。」
「お気をつけて。
爽汰様、
レディーに対するマナーは…」
「わかってるよ、笹宮。」
車から降りた途端、
耳を突くスゴい黄色い声。
ああ、ダルい…。
女の子は好きだけど、
うるさくて、
ブリブリした子は
あんまり好きじゃない…
でも、悪い印象は
つけたくないので
笑顔を振りまいておく。
もしかして天音月も
こういうタイプなのか?
いっそ
男嫌いくらいだったら
俺的には嬉しいかも。
まあ、いろいろと
やりがいがあるし…ね。

