次の日、まだ日の昇るまえの薄暗い朝。


私は春から夏に変わる空気を感じながら、長い石段をのぼっていた。



むかうは占宵一家がまつるお社。




ここに毎朝お参りするのが私の日課だ。



別に力を高めたい、とかそういうんじゃない。



ここには、おばあちゃんがいるから。




前も言ったようにおばあちゃんはうちの一家の占師。


占師はこのお社に住むことが一家の決まりなの。




前はおじいちゃんも一緒に住んでたんだけど、2年前に他界してからおばあちゃんはひとりぼっちになった。



だから私が朝会いに行くとおばあちゃんは喜んでくれる。





この日課自体は私が物心ついたころから続けてたけどね。





それにそんなつもりはないけど、このお参りは私の力を結果的に高めてるっておばあちゃんは言ってた。