「何がおかしいの!?」
私が憤慨して叫ぶと、悠芽は笑いすぎて目に浮かんだ涙を拭いながら答えた。
「だってお前、神様騙って金を儲けてるやつが『無垢』って……ぶっくく、だめだ、おかしすぎる」
再びつぼに入る悠芽。
「その『むく』じゃないっ!!向かうの向!!!!」
腹が立って怒鳴りながら訂正するも、私がむきになればなるほどおかしいらしく、悠芽はうずくまって笑い出した。
くそ――――――!!!!!!!!
笑い続けること3分。
やがて悠芽は笑い疲れたのか身をおこした。
存分に楽しんだ悠芽とは対照的に、すっかり不機嫌な私。
「な、悪かったって」
にやにやしながら言われても全然許す気は起きない。
私がそっぽをむくと、悠芽はくすくす笑って私の頭をなでた。
悠芽の行動にびっくりし、思わず悠芽の方を見る。
「あ、こっちむいた」
悠芽は嬉しそうに笑った。
…うぅ、その笑顔反則。
「くそばか」
言って私が蹴るまねをすると、悠芽は再び楽しげに笑う。
なにが楽しいんだ
ば――――――かっ
…でも悠芽の笑顔にほだされてしまった私も十分ばかなのかもしれない。

