悠芽の鬼畜!!!!
変態!!!!性悪!!!!
…とか思ってみても気の弱い私が直接言えるわけもなく。
「さ、観念して話しなサイ??」
さっきと一変して母性本能をくすぐる表情で言ってくる悠芽に。
「……はい」
私の力と仕事を洗いざらい話してしまうのはこのすぐ後のことなのでした。
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「…………」
私の話を聞いたあと、黙り込む悠芽。
「ちょっと……仁科、くん??」
私がおそるおそる呼び掛けると、悠芽ははっとしたように私と目を合わせた。
悠芽のきれいな瞳に吸い込まれそうになる。
「お前の名前」
…………え????
悠芽の瞳にくらくらしていた私は意識を取り戻した。
そんな私に悠芽は再び口を開く。
「俺お前の名前知らない」
ああ。
そういえば。
「占宵」
「うらよい??」
「占いの占に、今宵の宵」
「変な名字」
悪かったね!!!!!!!
「そんで??名前は??」
「……向」
「……むく??」
とたんに悠芽は腹を抱えて笑いだした。
!!!!????
信じらんないこの男!!
人の名前で笑うなんて!!

