そこは高校の玄関の横。
少し薄暗い裏庭。


校舎に挟まれているためか、けっこう死角になるこの裏庭の片すみに、その木箱は置かれていた。






今もまた、その木箱のそばできゃいきゃい騒ぐ女生徒が二人。


「ねぇ、いくら入れた??」

「私200円!!」

「え〜じゃあ私は500円入れちゃおっと!!」

「お金の問題じゃないもん」


ふふふ。
しめて700円なり。



私はほくそ笑みながらその場をあとにする。





今度は正面からやってくる男子生徒が二人。


「おれ明日こそ恋の神サマに祈願する!!」

「まじかよ??あれってほんとに叶うのか??」

「叶うって!!おれのダチあれで彼女できたぜ??」

「うそだろ?!」






そう、この学校には、恋の神サマがいるのだ。