「やば、出してない〜!!」


悠芽と話していた女の子、赤坂さんがその男子のもとへ駆け寄る。



うん、あの子が『赤坂さん』だっていうなら話ははやい。


加藤さんと前田さんには悪いけどより可能性のある方をとらせてもらうのが仕事上の方針だ。



よし、今回は赤坂さん。


決定。





私が意気揚々ときびすを返しかけた瞬間―――。










悠芽と目が合ってしまった。









やばばばばば!!!!!!!!!!



私はダッシュでその場をあとにする。




なんとか教室にたどり着くと同時にチャイムが鳴った。




大丈夫大丈夫。



多分セーフだ。




私はほっとして席についた。