再びひょおっと風が吹く。サトシは唾を飲んで校門に近づいていく。スライド式の門を乗り出して侵入を試みようとがしっと校門に手をかけた。高さはサトシの首の根元と同じくらいの高さなので余裕でよじ登れる。

だが鉄製で錆びた校門に触れるとざらついた感触や冷たさ、キィキィと軋む音でサトシの勇気をくじく。


ええい。男サトシ!勇気を出せ!

校門をつかむ両手に力を込め、体を持ち上げ、そして右足を上に乗せた。

その時………