ひょおっと風が吹き、サトシの前髪が揺れる。

周りにある一本一本の蛍光灯が学校へと向かうサトシの道を照らす。だがかなりの静けさに、サトシの身体の震えは止まらなかった。
校門前。

……でもやっぱり夜の学校、マジこえーよ……とサトシは思う。

しかし、ここまで来たらもう後戻りは出来ない。

だからサトシは挑む。

夜の学校に。

宿題を取りに行くために。

ハーリー先生の危険な悪意から逃れるために。