「ヒカリさん……んふっ、んふっ」

開けるとそこにはヒカリを毎度毎度付きまとうメガネを掛けた少年のコウヘイだった。

コウヘイはヒカリの椅子を自分の頬で上下に刷り寄せる。そして刷り寄せる度にキィ…キィとなる。これがラップ音の正体だった。

コウヘイはようやく我に返ってサトシ達がいることに気づく。

「き…君たち!どうしてこんなところに!?」

「お前こそこんなところで何やってんだ!?」

サトシが答える。するとコウヘイは挙動不審になって答えた。

「じ…実はですね…僕大工さんなろうと思って…この椅子を調べてたんですよ」

「頬でか?普通手触りとかだろ?」

「いいえ頬でやると分かり易いんですよこれが」

「ヒカリさんと呟いてるのは何?」

ハルカは次の質問を出すとコウヘイはさらに汗の料が増える。

「いや……それは呪文ですよ…『希望の光を我に〜』みたいな」

「希望の光ねぇ…じゃあ俺達は帰るから、邪魔してわりーな」

とシゲルは言って二人と共に教室を後にしてコウヘイは安心して胸を撫で下ろした。