深夜、誰もいないはずの教室に響き渡るラップ音が聞こえる。まるで、椅子が揺りかごのように揺れる音かのように――

怪奇!教室からのラップ音――


「ていう話なんだけど」

「ラップ音って、チェケチェケラッチョヨーチェケラッチョのこと?」

「いやベタ過ぎて逆に美しいよ…」

「その言葉、シュウに言ってもらいたかったかも……」

肩を落とすハルカにシゲルは苦笑いする。

「さてハルカ、もうすぐ俺達の教室だから早く取りに行くぞ」

「あっそうだったかも」

ハルカは忘れ物を取りに行くことを思い出してサトシと共に教室に足を進めようとしたその時――