俺は悲しくなりつつも椿を見つめた

するといきなり

「だって…
私には、彼氏がいるんだよ…
彼氏がいるのに…
彼氏がいるのに、あなたと登下校しなきゃいけないのは、辛かったんだもん!!
私は、彼氏を裏切りたくないんだよ!!
なんで、彼氏がいるのに鈴木なんかと!!」

って、怒鳴ったんだ

俺はムッとしつつ悲しみつつ…

だから…

「でも…
現に、椿は彼氏に裏切られてるじゃん」

そう言ってしまった

椿は、びっくりしたまま固まっていた

俺は、言わないようにしていた台詞がどんどん溢れていく

「だって、聞こえちゃったんだけど2年も待ってんだろ?
でも迎えにこない
つまり、椿を捨てたってことだろ
なら、もう裏切られてるじゃん
いいじゃん、昔の彼氏なんか忘れろよ
俺と元カレ似てんだろ?
なら、俺でいいじゃん」

と言ってしまったあと、椿に頬をビンタされた

一瞬なにがあったか分からなかった…

目の前には、俺を睨む椿がいる

そして…

「違うよ!!
ウィルは、私を裏切ってなんかない!!
ウィルを侮辱するな
ウィルを悪者みたいにいうな!!
お前なんか、ウィルに似てない!
ウィルは、ウィルは…」

怒鳴りながら、涙を流している椿をみて心が痛んだ

そして、俺は過ちに気付き…

「ごめん…」

そう言って、椿を抱き締めた

「離せ!」

そう言って暴れる椿を泣き止むまで、抱きしめ続けたんだ…

そして、俺は守ろうと…椿を守ってやろうと決めたんだ…