「どうなさいましたか?」

私はその言葉で我に戻る

「いえ。
なんでもないわ」

私は、ニコッと笑う

「そうですか?
夕月さんが暗い雰囲気を漂わせていたので」

「そうですか?
気のせいですわ」

私は、笑顔でごまかす

鈴木 洋介君は、感情に敏感な男だ

私が落ち込んでるとすぐに気付くんだ…

気付かれたくないのに

「そう…なら良かった
あっ、そうだ
お昼は空いてるかい?
一緒にランチしませんか?」

また誘ってきた

いつも、ランチに誘う

でも、私はいつも

「いえ、那奈さんと食べるので遠慮するわ」

と断る

「そうですか
わかりました
また誘います」

そう言っていつも立ち去るんだ