『声が聞こえた』で始まるラブストーリー



頭の中にも上にも再びたくさんのはてなマークが浮かぶ。


私のことバカにしてる…?

じゃぁ、やっぱりこれは真っ赤な大嘘??



そうやって一人で困惑していると、




安藤君の両手に


肩をつかまれていた。




…む???


むむむっ…?




どこまでウソを貫き通すつもりだろう…



安藤君は辛そうに言い放った。

「”どういうこと?”って訊かれたらさ、
物語通りにする他なくなっちゃうじゃん…。
結局、俺が負けちゃうってことか…」



「…んえ?---んっ」



不意に重ねられた唇…。
”物語通り”すぐに離される。



即座に見上げた安藤君の顔は

なぜか耳まで真っ赤で。



まさか、これは全部本当なのか…?



安藤君は、呟くように”再び”言う。


「…こういうこと…だけど?」


ゆでだこのようになってうつむく彼は、
意外とシャイなのかもしれない。