「うまくいった?」
「最初だけ、アハハ」
つられて朱鷺も笑った。
「結局、同じところでもめるんだもん。二度、嫌な思いをしちゃった気がする。」
「なんか、わかる気がする」
「戻ってもいいんじゃないの?自分の気持ちに正直な時も、あっていいと思うよ」
「で、また、同じ思いをするの?」
「やってみなくちゃわからない」
由美子は、指でピースを作った。
これ、もらうねぇ~と、朱鷺がおにぎりに手を伸ばした。由美子は、よかった、と思った。
席を立って、由美子は暖めた味噌汁を持ってくる。手渡されたお椀を、朱鷺は複雑な顔でのぞきこんだ。
あの時、せっかく真理が作ってくれたおにぎりと卵焼きと味噌汁、食べればよかった、せっかく作ってくれたのに。真理は食べないだろう、と思いながらも作ってくれていたんだ、たぶん。
ぽたぽたぽた、と味噌汁に朱鷺の涙が落ちた。
「俺、・・・・どっちも好き・・・だったんだよ・・・・」
「・・・うんうん。嘘だったなんて言ってないよ。一生懸命好きだったよね」
「エ、エッチだけ・・・だけ、なんかじゃなかったんだよ・・・よ・・・」
「食べるか、泣くか、どっちかにしたら、落とすよ」
由美子は、切なくニコニコして、朱鷺の手からお椀をとって、テーブルに置く。みっつの子供みたいだな、と思ったが、みっつの子供は恋して泣かないな、と思った。
「・・・由美ちゃん」
「なあに?」
「由美ちゃんは・・・相手の幸せを願って別れたりしない、って、・・・って言ったけど、ね、願うことだってあるよ。・・・あるんだから・・・」
「最初だけ、アハハ」
つられて朱鷺も笑った。
「結局、同じところでもめるんだもん。二度、嫌な思いをしちゃった気がする。」
「なんか、わかる気がする」
「戻ってもいいんじゃないの?自分の気持ちに正直な時も、あっていいと思うよ」
「で、また、同じ思いをするの?」
「やってみなくちゃわからない」
由美子は、指でピースを作った。
これ、もらうねぇ~と、朱鷺がおにぎりに手を伸ばした。由美子は、よかった、と思った。
席を立って、由美子は暖めた味噌汁を持ってくる。手渡されたお椀を、朱鷺は複雑な顔でのぞきこんだ。
あの時、せっかく真理が作ってくれたおにぎりと卵焼きと味噌汁、食べればよかった、せっかく作ってくれたのに。真理は食べないだろう、と思いながらも作ってくれていたんだ、たぶん。
ぽたぽたぽた、と味噌汁に朱鷺の涙が落ちた。
「俺、・・・・どっちも好き・・・だったんだよ・・・・」
「・・・うんうん。嘘だったなんて言ってないよ。一生懸命好きだったよね」
「エ、エッチだけ・・・だけ、なんかじゃなかったんだよ・・・よ・・・」
「食べるか、泣くか、どっちかにしたら、落とすよ」
由美子は、切なくニコニコして、朱鷺の手からお椀をとって、テーブルに置く。みっつの子供みたいだな、と思ったが、みっつの子供は恋して泣かないな、と思った。
「・・・由美ちゃん」
「なあに?」
「由美ちゃんは・・・相手の幸せを願って別れたりしない、って、・・・って言ったけど、ね、願うことだってあるよ。・・・あるんだから・・・」
