「悠斗、今日のご飯何食べたい?」 「魚が食べたい。焼き魚。」 「残念。魚はないな。買いに行こうか?悠斗」 「そうだな」 穏やかに微笑んで立ち上がった聖治が、俺に掌を差し出した。 俺はその手を取って強く握り返す。 誰に何を言われても、譲れないこの想い。 「聖治、大根の味噌汁が飲みたい」 「いいよ。わかった。じゃあ、大根も買って帰ろう」 誰に何を言われても、この安らぎは本物。 end.