あたしが話し終わっても

聖来君は口を開かなかった


「でもあたしは全然平気だから。あんなのどうってことないよ。」


笑って見せても

聖来君の悲しそうな目は変わらなかった

あたしもそれ以上

何も言えなくなってしまった


「…ごめん。」


聖来君は突然その一言だけを言うと

走ってどこかへ行ってしまった

ケガをしているあたしは

追いかける事も出来ず

屋上に取り残されてしまった