「「ならない!!」」
見事な即答だった。
溝口ならともかく、宮崎が即答したのが面白かった。
「絵、見た?」
宮崎に話しかける。
中学1年女子にしては長身の宮崎だが、俺を見上げる時は首を一生懸命上を向ける。
あ、それはみんなそうなんだけど…。
宮崎が俺を見上げる顔が可愛いと正直思う。
「まだ半分くらいです。いろんな作品があって面白いですね。」
「ん。市内の美術教師や画家が有志で出品してるからね。君も出品する日が来ると面白いね?」
「え…?」
「美術、好きでしょう?」
「はい。」
戸惑うことなく、はっきりと答える宮崎に温かい気持ちにさせられる。
美術教師として嬉しい だけじゃなく。
「僕もキミの絵、好きだよ。」
そう、宮崎の絵が好きだ。
純粋に、優しい気持ちが表れていて心地良い。
上手く描こうとか、技術を駆使しようとか
そんな裏が無い宮崎の絵が大好きだ。



