宮崎と溝口。
2人の姿を見て少しホッとする。
なぜだろう?
今少しばかり、教師という立場を心底忘れていた俺にとって、先生と呼ばれるのはくすぐったいように感じる。
「…あぁ、いらっしゃい。暑かったでしょ?」
私服の2人は対照的だった。
宮崎は清楚な雰囲気で、制服の時より数段大人っぽく見え、溝口はハツラツ元気っ子だが、やはり実年齢よりは上に見える。
女子ってコワイ。
「先生、今の彼女?」
見てたのか…。じゃぁ会話も聞こえてたかな…?
いや、聞いてたら「彼女?」とは聞かないか…
宮崎はオロオロと俺と溝口の顔を心配そうにみている。
そんな宮崎を見たら少し笑えた。
「気になる?」



