美術室の窓から~dear先生~



宮崎と溝口。


2人の姿を見て少しホッとする。


なぜだろう?


今少しばかり、教師という立場を心底忘れていた俺にとって、先生と呼ばれるのはくすぐったいように感じる。


「…あぁ、いらっしゃい。暑かったでしょ?」


私服の2人は対照的だった。


宮崎は清楚な雰囲気で、制服の時より数段大人っぽく見え、溝口はハツラツ元気っ子だが、やはり実年齢よりは上に見える。


女子ってコワイ。





「先生、今の彼女?」


見てたのか…。じゃぁ会話も聞こえてたかな…?


いや、聞いてたら「彼女?」とは聞かないか…


宮崎はオロオロと俺と溝口の顔を心配そうにみている。


そんな宮崎を見たら少し笑えた。


「気になる?」