別に失恋の痛みを感じているわけじゃないが、裏切られた感覚と、見抜けなかった自分の愚かさが「萌の結婚」自体どうでもよく思わせた。 本当に情けない。 2人を笑顔で見送る。 「中学生に手ぇだしちゃダメだよ~(笑)」 「どんだけ俺飢えてんだよ!」 本当に。 本当にほんの一瞬、向日葵を抱えた少女が脳裏に浮かんだ。 「せんせ~!」 と、後ろから俺を現実に引き戻す元気な声が聞こえた。