美術室の窓から~dear先生~



別に失恋の痛みを感じているわけじゃないが、裏切られた感覚と、見抜けなかった自分の愚かさが「萌の結婚」自体どうでもよく思わせた。


本当に情けない。


2人を笑顔で見送る。


「中学生に手ぇだしちゃダメだよ~(笑)」


「どんだけ俺飢えてんだよ!」





本当に。


本当にほんの一瞬、向日葵を抱えた少女が脳裏に浮かんだ。













「せんせ~!」


と、後ろから俺を現実に引き戻す元気な声が聞こえた。