美術室の窓から~dear先生~



今日の先生はジーパンに黒のTシャツ、上からモノクロの英字新聞っぽいプリントのされたシャツをラフに着こなして、青年らしい。


普通に街を歩いていたら、まだ学生にも見えると思う。


もう私には「先生」って固定観念がこびり付いているから学生には見えないけど。


「先生の絵は…すぐ先生のってわかりますね。」


「そう?」


だって他の作品は額に納まっているのに、先生の作品は…形に囚われていないというか、額に入っていないし、立体的に会場に暴れてる。…視覚的にも物理的にも。


「大学で作風ガラッと変わったからなぁ。」


一見穏やかで、普通に真面目な先生。そこからは想像出来ない作品。


良く言えばダイナミック、言い方を変えれば突拍子も無い作品。


先生って、不思議な人かも?





ちらほらと入ってくる教員仲間らしい大人のお客さんに笑顔で会釈する先生。


「キミらはこれから買い物?」


「あ、いいえ。まだ決めていません。」


そこに梨絵が帰ってきて


「先生~ランチおごって!」


と、また無邪気に発言してくれた。