「美術、好きでしょう?」
「はい。」
確かに。先生が好きだという気持ちとは別に、美術が好き。
絵を描いているときは落着くし、物を作ることは大好き。
気を利かせてるのか、梨絵は少し離れた所の絵を鑑賞中。
「僕もキミの絵、好きだよ。」
ニッコリ笑顔で言う先生に、心臓が止まるかと思った。
先生の語調が変わる瞬間。
『わたし』が『僕』や『俺』に変わる瞬間。
ですます調が消える瞬間や『キミ』と呼ばれる瞬間。
なんだか先生が先生じゃなくなって…
「あ…ども…」
わ~!!!
もっと気の利いた言葉はないのぉ?私!!!



