美術室の窓から~dear先生~



「…あぁ、いらっしゃい。暑かったでしょ。」


振り向いた先生は、もう『先生』の顔になっていた。


「先生、今の彼女?」


り、梨絵! なんて事ズバッと聞くの!


私がビックリして梨絵と先生の顔を交互に見ていたら、先生と目が合った。


「気になる?」


イタズラっぽく笑って言う先生に私たちは…


「「ならない!!」」


とハモッていた。


…正直なところ気になるけど。


会話聞いてたから、彼女じゃないことは分かってるし。


「あ、そ。ハモッてくれてありがとう。」


先生は呆れたように笑った。


「絵、見た?」


今度は私に向かって聞いてくれる。


「まだ半分くらいです。いろんな作品があって面白いですね。」


「ん。市内の美術教師や画家が有志で出品してるからね。君も出品する日が来ると面白いね?」


「え…?」