「…あぁ、いらっしゃい。暑かったでしょ。」
振り向いた先生は、もう『先生』の顔になっていた。
「先生、今の彼女?」
り、梨絵! なんて事ズバッと聞くの!
私がビックリして梨絵と先生の顔を交互に見ていたら、先生と目が合った。
「気になる?」
イタズラっぽく笑って言う先生に私たちは…
「「ならない!!」」
とハモッていた。
…正直なところ気になるけど。
会話聞いてたから、彼女じゃないことは分かってるし。
「あ、そ。ハモッてくれてありがとう。」
先生は呆れたように笑った。
「絵、見た?」
今度は私に向かって聞いてくれる。
「まだ半分くらいです。いろんな作品があって面白いですね。」
「ん。市内の美術教師や画家が有志で出品してるからね。君も出品する日が来ると面白いね?」
「え…?」



