私は学校での先生しか知らない。
それもこの4月から。
先生にはいっぱい、私の知らない先生があるんだと、思い知った。
「そろそろ私たち行くわ。千葉君頑張ってね~。」
「おぅ。んじゃな。」
「中学生に手ぇ出しちゃダメだよ~(笑)」
「どんだけ俺飢えてんだよ!」
いいなぁ…先生と友達だなんて。
私はパーテーションの影から先生の友達の後姿を見た。
背は私と変わらないけど、スタイルが良くって、高いヒールも難無く履きこなして。
大人の女性って、やっぱり違う。
私がいくら背伸びしても、子供は子供。
「せんせ~!」
梨絵がいつもの無邪気な声で呼んだ。



