美術室の窓から~dear先生~




私たちは高速道路をまたぐ橋の上で、明日の約束をして別れた。


明日から港でスケッチ。


朝8時ジャストのバスで待ち合わせ。






家に帰ると、妹の友香が一人ゲームをしていた。


「洗濯物入れてくれた?」

「あ、おねーちゃんお帰り。まだ入れてない。」

「あ、そ。」


友香は家事をほとんどしない。


私なんて小学校入る前からお米炊いたり、洗濯物畳んだり、お母さんの手伝いしてたのに。


お母さんは、お父さんの記憶が全く無い妹を必要以上に可愛がる。


だから喧しくお手伝いをしなさいとも言わない。


もう小学校5年なんだから、少しは手伝って欲しいんですケド。




ベランダに干してある洗濯物を取り入れて、妹のいるリビングで畳む。


・・・でも、ゲームを止めない友香。


「自分の分くらい、自分で畳んでよね。」


「はーい。」


私は私とお母さんの服と、タオル類を片付けて、自分の部屋に入った。