『あの絵』の神社は、俺の祖父母の家の側にある。
俺の両親は共に教員で、忙しかったから小さい頃は祖父母宅に預けられることが多かった。
神社の境内でよく遊んだ。
たくさんの思い出がある。
友達と秘密基地を作ったことや、
初恋の女の子。
そして俺も、よく絵を描いた。
小学校、中学校、高校…それぞれの時期に神社を描いた。
それを、あんな表現で描ける子がいた…!
10歳も年下なのに。
まだ確かに幼い筆使いだけど…光が溢れていた。
木々の匂いが漂ってきそうな絵だった。
きっと、俺が見たものと、同じものが見えるんだね…。



