<出展作家>の欄は10人ほど名前が連なっていて、最後から2番目に『千葉 隆』とあった。
「先生すごーい。アーティストみたぁい!」
「一応アーティストですからぁ~!」
先生も梨絵の口調に合わせて答える。
私はただ、隣で笑うだけ。
駄目じゃん。
こんな引っ込み思案な私。
絶対『暗い子』になってるよ。
前に梨絵に言ったら『恋すれば、そんなモンなんじゃないの~?』って言ってくれたけど。
もっと、みんなみたいに、自然にたくさん話したいのに。。。
…出来ない…。。。
「ねー、先生って誕生日いつー?」
あ、梨絵、それ聞きたかったんだよ~!
ありがとう!!!
「ん?何かくれるんですか?」
「いやぁ、時と場合によるけど…」
「どんな時と場合ですか。明日。11日ですよ。」
「え、明日~!?」
久しぶりに声を出す私。
「へぇ~。んじゃ、私は9月6日で、宮は10月6日だから~!」
「聞いてませんし!」
先生のツッコミを無視して、梨絵は私の手を引いて準備室を走り出した。



