美術室の窓から~dear先生~




「アイツら…。」


私は、残っちゃった。


梨絵に残された…って言い方も出来るけど。


先生の側にいたかったし。。。



「雑草抜き?先生。」


渡り廊下から中庭に通じる階段を下りる。


「お、宮崎、さすが!優しいな、君は。」


お世辞でも、その笑顔で言われたら、メチャ嬉しい!




「このコンクリートの隙間からの分だけ抜けって、三木先生がね。」


「はぁい。」


三木先生ってのは5組担任の『ザビエル』で、実は風紀委員の超怖~い先生。


先生たちからも怖がられてる。


「てか…先生のクラスの子は?」


「…ぃや…ココ本当は8組の担当じゃないんですよ。普段用務員さんが手入れしてくれているんだけど…最近腰を痛められているらしくてね。」


「そうなんですか…。で、先生が頼まれたんですね。」


「そう。ごめんね、巻き込んで。」


「いえっ。大丈夫です。」


先生と並んで雑草抜き♪


先生のこと、ずっと見ていたいけど。


先生に気付かれたくないし。


真面目に頑張る子って思われたいし。