「え…」
って、ドキドキするよ……。
私の顔の真ん前に、先生の顔。
目、合わせらんない。。。
絶対絶対、今の私、顔真っ赤だって!
先生の髪は、少しクセ毛で、フワフワしてる。
私はポケットからティッシュを出して、一本一本、絵具を拭き取った。
私の鼻息、先生にかかってないよね?
そんな変な心配しながら…。
「サンキュ。」
先生は、また上目遣いで自分の前髪を見上げて、確認した。
そして私に微笑んでくれた。
…けど、目、逸らしちゃった。。。
見れないよ、先生の顔。
変に思われちゃったかな…?
「…先生、気を付けて下さいね~!じゃぁ私、部活に戻ります。。。」
「おう、頑張って!」
先生と目も合わさずに、そそくさと準備室を出た私は隣の美術室に駆け込んだ。
4~5歩の距離なのに動悸がする…のは私が運動不足だからじゃない。



