昔は相当な生徒数が通っていたに違いない。
今みたいに7クラスだけにとどまっていないだろう。
たけから聞く話だと、離れの特別棟にもクラスの掛札があるくらいなのだから、昔は本当に多かったに違いない。
7クラス分の生徒が集まって、体育館の半分しか埋まらなかったのを見ながら俺はそう思った。
「広いよなぁ、この体育館。」
「えっ?」
そんな俺の心中を見透かしたかのように里村は俺にそう言ってきた。
里村も俺と同じ様に席の後ろ側に目を向けていた。
「一年生全員集まって半分しか埋まらなかっただろ?」
…どうやら里村も俺と同じ事を考えていたようだ。
それから数分後、ナレーションの合図で喧騒が静まり、暫くして妙齢の男が体育館の幕の前まで現れると同時に拍手が送られる。
男は小さくお辞儀をし、話始めた。
「はい、こんにちわ。わたくし、吹奏楽顧問の明智勇太(あけちゆうた)と言います。以後よろしくぅ♪」
…何だかナレーションにしてはえらく軽いノリな人物の様だ。
いや、それより…
「吹奏楽顧問?」
正直な話驚いた。
自分の予想していたのとは全く違っていたからだ。
吹奏楽顧問はもう少し厳しめなのを想像していた。中学の顧問がそうだったように…
今みたいに7クラスだけにとどまっていないだろう。
たけから聞く話だと、離れの特別棟にもクラスの掛札があるくらいなのだから、昔は本当に多かったに違いない。
7クラス分の生徒が集まって、体育館の半分しか埋まらなかったのを見ながら俺はそう思った。
「広いよなぁ、この体育館。」
「えっ?」
そんな俺の心中を見透かしたかのように里村は俺にそう言ってきた。
里村も俺と同じ様に席の後ろ側に目を向けていた。
「一年生全員集まって半分しか埋まらなかっただろ?」
…どうやら里村も俺と同じ事を考えていたようだ。
それから数分後、ナレーションの合図で喧騒が静まり、暫くして妙齢の男が体育館の幕の前まで現れると同時に拍手が送られる。
男は小さくお辞儀をし、話始めた。
「はい、こんにちわ。わたくし、吹奏楽顧問の明智勇太(あけちゆうた)と言います。以後よろしくぅ♪」
…何だかナレーションにしてはえらく軽いノリな人物の様だ。
いや、それより…
「吹奏楽顧問?」
正直な話驚いた。
自分の予想していたのとは全く違っていたからだ。
吹奏楽顧問はもう少し厳しめなのを想像していた。中学の顧問がそうだったように…


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