紗冬美はそう言って私に笑顔でガッツポーズをしてくれた。
上品でクールな雰囲気のある紗冬美の可愛らしい一面を垣間見れた気がして私の心が少し落ち着いた気がした。
でも…不安を完全に拭いきれる訳ではない。
紗冬美に指摘される前程では無いにしろ、また少し不安になってきた。
そして時間は刻々と進み、予鈴が鳴る。
発表会は一時限目からだからもう少しだ。
更に不安は募るが、やはり言うまでもないけど刻々と時間は進んでいく。
こう言う発表会のトリは大体決まって派手な物から始まる。
今回も去年と同じく始めが吹奏楽部になった。
「しょーこっ!」
「え、あっ…。」
またもや紗冬美に注意されてしまった。
ブレザーのボタンが全部外されていた。
再びボタンをかけ直すと、そんな私を心配した紗冬美はこんな事を言い出した。
「そんなに心配なら、観客を観客と思わなければ良いのよ。」
「観客を観客と思わない?」
「例えば…そうね。顔を食べ物に例えて見てみるとか。簡単な所ですいかとかが良いかも。」
「すいか?…すいか…。」
私はそう言われて少し想像した。
でも…
「何か、不気味で集中出来ないかも。」
それが正直な感想だった。
上品でクールな雰囲気のある紗冬美の可愛らしい一面を垣間見れた気がして私の心が少し落ち着いた気がした。
でも…不安を完全に拭いきれる訳ではない。
紗冬美に指摘される前程では無いにしろ、また少し不安になってきた。
そして時間は刻々と進み、予鈴が鳴る。
発表会は一時限目からだからもう少しだ。
更に不安は募るが、やはり言うまでもないけど刻々と時間は進んでいく。
こう言う発表会のトリは大体決まって派手な物から始まる。
今回も去年と同じく始めが吹奏楽部になった。
「しょーこっ!」
「え、あっ…。」
またもや紗冬美に注意されてしまった。
ブレザーのボタンが全部外されていた。
再びボタンをかけ直すと、そんな私を心配した紗冬美はこんな事を言い出した。
「そんなに心配なら、観客を観客と思わなければ良いのよ。」
「観客を観客と思わない?」
「例えば…そうね。顔を食べ物に例えて見てみるとか。簡単な所ですいかとかが良いかも。」
「すいか?…すいか…。」
私はそう言われて少し想像した。
でも…
「何か、不気味で集中出来ないかも。」
それが正直な感想だった。


![Cold Phantom [後編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.778/img/book/genre4.png)
