Cold Phantom [前編]

人の考えている事を表情、仕草、癖等から推測して言い当てるのが趣味で、余程複雑な答えではない限りほぼドンピシャで当ててしまう鋭い観察眼を持っていて侮れない。
でも、誰にでも取っつきやすくサバサバした性格と相手が何を考えようと毛嫌いをしない所があり、仲間からあぶれる事は無い、それに何よりその事を詳しく知っているのはせいぜい同じ学年の数人と部活内の3年生くらいだ。
彼も信頼を置ける人にしかこの事は言わないようにしているようだ。
彼にとってこの二人の分かりやすい行動は既にお遊びと化していた。
「気姿月君も飽きないよね、今年で3年も同じ事やってるのに…。」
「それは違うなぁ姫ちゃん。」
「えっ?」
「同じだから良いんだよ。これで変わるとしたら付き合うしか選択肢がないんだから、弄れなくなってつまらなくなるだろ♪」
「こら、そこ!変な話しない!」
「おっと、バレちゃったみたいだな。」
「バレバレ、ってか聞こえる様に言ってたでしょ。」
「そこまでバレてたか、流石だなみーちゃん。」
「くっ、このぉ~!」
そんなみーちゃんの反応を他所に気姿月君は軽く笑った。