Cold Phantom [前編]

１７０近くある長身と腰上まである艶やかな黒髪のロングヘアー、座り方一つでも品があり、どんなことに対しても動じそうにない程どっしりと構えた姿はよもや高校生には無い雰囲気を持っていた。
分かりやすく言えば大会社の令嬢。
一般の家庭に過ぎないと言ってはいるのだが、見た目の物腰だけで言えばそれが信じられないくらいだ。
性格は優しいけどたまにクールな時があったりと様々で一定に絞れない。
対応も男女で違い、女の子には優しくて、男の子には少し厳しい。
そんな男嫌いだけど、初見の男は邪険にしないし、相手によっては普通に接する事もある。
…と部長とはまた違う変わり者だった。
紗冬美も紗冬美で自分が美人であることに自覚が無い。
紗冬美のいきなりな割り込みに弾かれるように部長は小さく反応した。
「おっと、そうだな今日は部活も無いし、半ドンだしな。早めに終わってさっさと帰らないとせっかくの半ドンが勿体無い。」
「まぁ、あれでしょ？新入生の部活紹介の件でしょ？」
「おぉ！それそれ、流石あおむらさき。理解が早いっぬぁぁー！？。」
部長は話の途中で妨害された。
みーちゃんに…
「あんた、本当に良い加減にしなさいよね！」