「猿は、とてもいい奴だ。それは姫ちゃんも周知だと思う。それにあいつは真っ直ぐにしか生きられない奴だそうだ。たけ曰くな。」
「真っ直ぐ?」
「好きになったら、多少の障害じゃ屁とも思わないって事。姫ちゃんが告白を断っちゃった理由、猿には伝えたのか?」
「ううん、言ってない…」
「なら、チャンスはあるってこった。」
言いながら俺は右手の親指を立ててニコッと微笑んだ。
「チャンスって?」
「猿の真っ直ぐな気持ちに、こちらも真っ直ぐに向き合ってやれって事。猿の事だから今頃物凄く落胆してると思う。」
俺は姫ちゃんの肩を軽く叩いて話を続けた。
「姫ちゃんも猿の事が好きなのに、今のままじゃお互い両想いのまま気まずい空気だけが流れる。これから先もずっとな。嫌だろそんなの?」
「うん、でも…」
「デモは警察が鎮圧しました。」
「…相変わらず意味不明だね湯川君。」
「ぐぁ…お前もそれを言うか…」
そんな返事をしながらも姫ちゃんは少しだけ表情を綻ばせた。
「だけど…それなら私はどうしたら良いのかな?」
「真っ直ぐ?」
「好きになったら、多少の障害じゃ屁とも思わないって事。姫ちゃんが告白を断っちゃった理由、猿には伝えたのか?」
「ううん、言ってない…」
「なら、チャンスはあるってこった。」
言いながら俺は右手の親指を立ててニコッと微笑んだ。
「チャンスって?」
「猿の真っ直ぐな気持ちに、こちらも真っ直ぐに向き合ってやれって事。猿の事だから今頃物凄く落胆してると思う。」
俺は姫ちゃんの肩を軽く叩いて話を続けた。
「姫ちゃんも猿の事が好きなのに、今のままじゃお互い両想いのまま気まずい空気だけが流れる。これから先もずっとな。嫌だろそんなの?」
「うん、でも…」
「デモは警察が鎮圧しました。」
「…相変わらず意味不明だね湯川君。」
「ぐぁ…お前もそれを言うか…」
そんな返事をしながらも姫ちゃんは少しだけ表情を綻ばせた。
「だけど…それなら私はどうしたら良いのかな?」


![Cold Phantom [後編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.778/img/book/genre4.png)
