「私に?」
「そう、重要な事だから聞いてほしい。」
そう言うと先生は少しだけ間を開けて一気に説明した。
「あの子、祥子ちゃんの記憶喪失は普通の物とは少し異なるんだ。病状だけで言えば逆行性健忘って言う、よくある記憶喪失の一種なんだけど。あの子の場合は精神的にとにかくデリケートなんだ。」
「デリケート?」
「デリケート…」
みーちゃんが言ったと同時に私も隠れながら小さく言った。
「そう、デリケート過ぎて…危険なくらいに。」
「危険って?…」
「あの子には今、便宜上親は居ないことになってる。」
「親がいない…って」
「言いたい事は百と承知だよ。でも事実なんだ。そしてそれを彼女に言った時に…ヒステリックを起こしたんだ。」
「!?」
みーちゃんはそれを聞いて驚いていた。
無理もなかった。
でもみーちゃん以上にショックを受けたのは私だった。
立っているのが嫌になるほどの頭痛に見回れた。
先生達に気づかれなかったのが不思議なくらい私はフラフラと歩き続け、しばらくして看護師に介抱されながら私の病室に戻った。
「そう、重要な事だから聞いてほしい。」
そう言うと先生は少しだけ間を開けて一気に説明した。
「あの子、祥子ちゃんの記憶喪失は普通の物とは少し異なるんだ。病状だけで言えば逆行性健忘って言う、よくある記憶喪失の一種なんだけど。あの子の場合は精神的にとにかくデリケートなんだ。」
「デリケート?」
「デリケート…」
みーちゃんが言ったと同時に私も隠れながら小さく言った。
「そう、デリケート過ぎて…危険なくらいに。」
「危険って?…」
「あの子には今、便宜上親は居ないことになってる。」
「親がいない…って」
「言いたい事は百と承知だよ。でも事実なんだ。そしてそれを彼女に言った時に…ヒステリックを起こしたんだ。」
「!?」
みーちゃんはそれを聞いて驚いていた。
無理もなかった。
でもみーちゃん以上にショックを受けたのは私だった。
立っているのが嫌になるほどの頭痛に見回れた。
先生達に気づかれなかったのが不思議なくらい私はフラフラと歩き続け、しばらくして看護師に介抱されながら私の病室に戻った。


![Cold Phantom [後編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.778/img/book/genre4.png)
