Cold Phantom [前編]

俺は呆然と立ち尽くしす事しか出来なかった。
嬉しいって思ってくれるなら、どうして告白に応えてくれなかったのか解らなかった。

-私の場合はね、私の記憶の事で人に迷惑をかけてしまわないか…それがとても怖いの。-

それは、人に迷惑をかけた経験があることを知っていて言える言葉だ。
そして、これから先迷惑をかけてしまうのが目に見えてしまっている風にもとれた。
「迷惑って、なんだよ…。」
俺はそう言って、先輩の消えたその場からずっと離れなかった。
そしてしばらくして…
「もしかして…。」
俺はある一つの答えを導き出した。
(もしかして…先輩はもう気付いていたんじゃないのか…。)
と…