俺たちは観覧車から降り、しばし無言のままアーケードまで向かった。
その途中の事だった。
「ありがとうヒロ君。」
不意に先輩はそう言った。
「どう言う意味ッスか?」
「私ね、男の子に好きって言って貰った事がなくてさ、ヒロ君が好きって言ってくれた時、本当はちょっと嬉しかった。」
「先輩…」
「だから、こんな私を好きになってくれてありがとうって言いたくなった。」
「…」
「そんなヒロ君の好意を無下にしちゃったなって…わ、私最低…だなって…。」
言いながら先輩は言葉の感覚が少しずつ開いていくのがわかった。
先輩は、泣いていた…。
「先輩…。」
俺はただ黙ってその小さな肩を擦り、軽く叩いた。
自分に何が出来るのか、何も解らなかった。
ただ、先輩をなだめる事しか出来なかった。
だが先輩は俺の手からすり抜ける様に俺の一歩前へと歩を進めた。
同時に俺と先輩の歩みも止まった。
その途中の事だった。
「ありがとうヒロ君。」
不意に先輩はそう言った。
「どう言う意味ッスか?」
「私ね、男の子に好きって言って貰った事がなくてさ、ヒロ君が好きって言ってくれた時、本当はちょっと嬉しかった。」
「先輩…」
「だから、こんな私を好きになってくれてありがとうって言いたくなった。」
「…」
「そんなヒロ君の好意を無下にしちゃったなって…わ、私最低…だなって…。」
言いながら先輩は言葉の感覚が少しずつ開いていくのがわかった。
先輩は、泣いていた…。
「先輩…。」
俺はただ黙ってその小さな肩を擦り、軽く叩いた。
自分に何が出来るのか、何も解らなかった。
ただ、先輩をなだめる事しか出来なかった。
だが先輩は俺の手からすり抜ける様に俺の一歩前へと歩を進めた。
同時に俺と先輩の歩みも止まった。


![Cold Phantom [後編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.781/img/book/genre4.png)
