ふと、その時になって冷静になってみた。
明らかに不自然だったからだ。
さっきまでの先輩の明るい雰囲気は今は感じられず、不安な面持ちで外を眺めていた。
(やっぱり、トラウマなんだ…)
俺はそんな先輩を前にして、俺はまた告白のタイミングを逃してしまった。
しばらくして、観覧車は頂上に達した。
未だに会話が無く、重い空気は残ったままだった。
告白なんて出来る雰囲気じゃないのは目に見えて明らかだ。
突然降りだした雨を睨み付けながらも俺は告白を次の機会まで待つことにし、今は先輩の心のケアを重視しようと決めた。
きっと今先輩に告白したら、きっと頭の中がパニックになると思う、告白した俺以上に…。
とりあえず俺はこの重い空気を払おうと声をかけた。
「先輩、あの…」
「あのね、ヒロ君…」
声をかけ切る前にまた先輩に止められた。
今度は先輩が一方的に話を始めた。
「前に言ったことあったよね、私は記憶喪失だって。」
「…? はい、言ってたッスね。」
俺はとりあえずそう返した。
明らかに不自然だったからだ。
さっきまでの先輩の明るい雰囲気は今は感じられず、不安な面持ちで外を眺めていた。
(やっぱり、トラウマなんだ…)
俺はそんな先輩を前にして、俺はまた告白のタイミングを逃してしまった。
しばらくして、観覧車は頂上に達した。
未だに会話が無く、重い空気は残ったままだった。
告白なんて出来る雰囲気じゃないのは目に見えて明らかだ。
突然降りだした雨を睨み付けながらも俺は告白を次の機会まで待つことにし、今は先輩の心のケアを重視しようと決めた。
きっと今先輩に告白したら、きっと頭の中がパニックになると思う、告白した俺以上に…。
とりあえず俺はこの重い空気を払おうと声をかけた。
「先輩、あの…」
「あのね、ヒロ君…」
声をかけ切る前にまた先輩に止められた。
今度は先輩が一方的に話を始めた。
「前に言ったことあったよね、私は記憶喪失だって。」
「…? はい、言ってたッスね。」
俺はとりあえずそう返した。


![Cold Phantom [後編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.781/img/book/genre4.png)
