俺はそのまま先輩に視線を向けて先輩の表情を見ていた。
どうしてだろうか、さっきまで店ではしゃいでいた先輩とは打って変わって不安そうな表情をしていた。
その表情に俺はふとある事を思い出した。
トラウマ…
先輩は記憶喪失で何がトラウマになっているのか解らないが、憶測では「水」それも大量の水が先輩のトラウマになっているかも知れないのを俺は思い出した。
小降りならともかく、土砂降りで用水路は既に小さな氾濫を起こしていた。
もし憶測が当たっているとすれば、今のこの場所は先輩にしてみれば恐怖の場所以外の何物でも無いはずだ。
今日の朝からの不安そうな表情をしていたのも納得がいくと言う物だ。
場所を変えた方が良い、そう俺は悟った。
ちょうど良い事にここは観覧車の待ち合いスロープ。
奥には人気の感じられない観覧車がゆっくりと素通りしていくのが見えた。
「あの、せんぱ…」
「ヒロ君…。」
俺が言葉を発したと同時、いや微かに先輩が遅れて言葉を返した。
どうしてだろうか、さっきまで店ではしゃいでいた先輩とは打って変わって不安そうな表情をしていた。
その表情に俺はふとある事を思い出した。
トラウマ…
先輩は記憶喪失で何がトラウマになっているのか解らないが、憶測では「水」それも大量の水が先輩のトラウマになっているかも知れないのを俺は思い出した。
小降りならともかく、土砂降りで用水路は既に小さな氾濫を起こしていた。
もし憶測が当たっているとすれば、今のこの場所は先輩にしてみれば恐怖の場所以外の何物でも無いはずだ。
今日の朝からの不安そうな表情をしていたのも納得がいくと言う物だ。
場所を変えた方が良い、そう俺は悟った。
ちょうど良い事にここは観覧車の待ち合いスロープ。
奥には人気の感じられない観覧車がゆっくりと素通りしていくのが見えた。
「あの、せんぱ…」
「ヒロ君…。」
俺が言葉を発したと同時、いや微かに先輩が遅れて言葉を返した。


![Cold Phantom [後編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.787/img/book/genre4.png)
