そして、4組はA棟の奥まった所の教室で5組はB棟のこの掲示板のある左右に長い廊下側に近い位置にあった。
遠すぎる訳でもなくでも近い訳でも無い、微妙な距離だ。
たけとは大体クラブで会うことになるだろうから気にする事じゃない。が…中学1年、2年と同じクラスで、3年は2年からの上がりなので一緒にならざるを得なかった。
つまり、同じクラスじゃない分少しだけ違和感を感じてしまった。
「ん?」
俺はまた新たな違和感を感じた。掲示板のとある文字が目を離した一瞬見えた。
「どした?」
たけが振り向き聞いてくる。俺の方は再び掲示板に目を向けたが、それがどこに書かれていたのか解らなくなってしまった。

新しい学校の教室は妙に広い気がしてしまう。無理もない、見知った顔がいないと喋る相手もいない。
だらけて椅子に座る生徒や緊張する生徒も少なくない。そんな空気の中教室を歩き回る人もいない。その分歩き回れる足場が多いからだ。
仕方ないとは言え俺はそんな空気はあまり好きじゃない。むしろ好きな人を見てみたい。その雰囲気が自分を委縮させ余計に広く感じてしまう。
(取りあえず、早めに座ってしまおう。)
立ちっぱなしだと目立って仕方ない。